
製造業など女性の少ない職場にお邪魔してお話を聞く機会が多いですが、そのなかで出てくるのは「ロールモデルがいない」という話。
実は私、その言葉に遭遇するたびに、ちょっとした違和感を抱きます。
ロールモデルって同性でなければならないのでしょうか。
今回は、「ロールモデルがいない」という不安を解消するヒントをお届けします。
女性のキャリアアップの話題のなかで
「ロールモデルとなる女性がいない」
「自分とは違い過ぎてロールモデルにならない」
という話をよく聞きます。
そもそも「ロールモデル」とはなんでしょうか。
仕事や人生において考え方や行動の「お手本」となる存在。
「あの人のようになりたい」と思う憧れの存在。
うまくいっている人の考え方ややり方を学んで、真似して自分もできるようになっていく。
そのお手本となる存在は、本来自分で決めたらいいものです。
「こうなりたいな」
と思う気持ちがスタートだからです。
そして、ロールモデルはひとりでなくてもいい。
実務的なお手本はAさんがロールモデル。
チームメンバーとの関わり方に関しては、Bさんをお手本にしたい。
働き方に関していえば、Cさんのような働き方ができたらいいな。
そういう感じでいいんじゃないでしょうか。
そこに「性別」って関係ないのでは?
というのが私の考えです。
現に私のロールモデルは、若手の頃は直属の男性上司や海外の工場で一緒に働いたシンガポール人の女性でした。
管理職になってからは、自分が前職でお世話になった男性上司や仕事の進め方がいいなと思っていた男性の同僚がロールモデル。
「ロールモデルとなる人をつくっていかなくては」とか「私がロールモデルにならなくては」なんて思う必要もないのです。
もちろん「お手本」となるような存在になれるように努めるのは大事なことだけど、全方向でお手本になる必要もないですよね。
それぞれが「どうなりたいのか」を明確にして、「あの人のようになりたいな」と思う行動や考え方を観察することが何よりも大事なことだと思います。
数少ない女性管理職として「ロールモデルにならなくちゃ」と感じている方も、きっといると思います。
でも、全部ひとりで背負う必要なんてないんです。
ロールモデルだっていろいろあっていいじゃないですか。
「すごすぎるロールモデル」だから「ああはなれない」と思うのも、「全部真似しなくては」という思い込みが原因です。
「仕事と私生活を両立している人」
といっても、事情は人によって違うから同じようにはできないこともあります。
その人の何をお手本にするのか。
そこを観察して具体的にしていくことから始めてみてはいかがでしょうか。
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