気の利いたアドバイスなんてしなくて大丈夫

===お知らせ===

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新年度になり、初めて部下や後輩ができた方もいらっしゃることと思います。

悩みを聞いたり、「どうしたらいいでしょうか」と相談をされたりすることも増えてくるのではないでしょうか。

「あなたに相談してよかった!」
そんな風に言ってもらえたら嬉しいですよね。

「でも、なかなか気の利いたアドバイスができなくて……」

そんなお悩みを聞くことがよくあります。

特に今は1on1面談でどう部下と向き合ったらよいのかと悩んでいるリーダーも多くいらっしゃいます。

私も会社員時代は、業績評価面談、キャリアパス面談など、毎月なにがしかの面談をしていました。

それ以外にも、「最近元気がないな」と感じた部下の話を聞くこともあったり、逆に「ちょっといいですか?」と相談を持ちかけられたりすることもありました。

そうなると、私は決まって
「やっぱり上司だからいい答えを出さなきゃ
と意気込んでいたんですね。

だから、相手が何か話をしたらすぐ
「こうしたらいいんじゃない?」とアドバイスしたり

相手が「自信ないんです」なんて言えば
「そんなことないよ。私はこう思ってるよ」
と励ましたりしていました。

でも、これ、アカンやつです

「こうしたらいいよ」
「そんなことないよ」

これらは一見優しい言葉ですが、実は相手の未来や可能性を奪っているかもしれません。

相手がせっかく「気づきの旅」に出かけようとしているのに、連れ戻してしまったり、全然違う方向に連れて行ってしまったりするようなものです。

大事なのは「信頼すること」

つまり、答えは相手の中にある前提で一緒に「気づきの旅」に出かけることです。

アドバイスとか何もしなくてもいいんです。

そもそも「気の利いた」って何でしょうか。

「気の利いたアドバイスができた!」というのは「ただの自己満足だったなぁ」と、今の私は当時のことを思い出して恥ずかしくなります。

やることはただひとつ。

相手がどんな風景の中にいるのか、それを自分も見るための質問をすること。

「それって具体的に言うと?」
「例えば?」
「どんな時にそう感じたの?」

などなどの質問です。

人は自分で気づいた時に初めて変わるための行動をとります。

それは即ち「自律」でもあります。

「誰かから言われたからやった」というのは、本当の「自律」ではありませんよね。

気の利いたアドバイスなんてする必要はないんです。

するのは「質問」

これ、上司と部下というだけでなく、家族、親子でも同じかもしれませんね。

それでは、また。


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