「説明」とは直接関係のない課題が解決したワケ

セブンイレブン関係者を対象としたセミナーで、「伝わらない」を解消し働きがいのある職場をつくる説明のコツをテーマにお話をさせていただきました。

コンビニ経営ではお客様、スタッフ、本部などさまざまな人とのコミュニケーションが発生します。スタッフはアルバイトの学生から高齢者まで年代も幅広く、外国人スタッフを抱えているお店もあります。そのため、「説明のスキル」そのものよりも、「いかに相手を理解するか」という点に時間をかけて、ワークや事例も織り交ぜてお話しました。

質疑応答の時間、最前列に座っていた男性が「質問ではないんですけど…」と挙手されました。

そして、
「説明がうまくできるようになりたいと思って、今日ここに来たのですが、説明とは関係のない問題が解決しました」
とおっしゃいました。

「人との問題」で長らく平行線をたどっていたことがあったそうですが、「とらえている事実」 「それに対する解釈」 「起こしてほしい行動」の3点セットで整理してみたら腑に落ちたことがあったとのこと。

相手が言いたかったことはこういうことではないかと、今まで見えていなかった部分が見えたようで、スッキリした表情をされていました。

ここからは私の感じたことですが、おそらくこの方はこれまでは「どうしたら(自分のことを)相手にわかってもらえるか」 「(自分が)どう言えば納得してもらえるか」というように、「自分」が主体になっていたのだと思います。

でも、セミナーを通して「相手は何を見たり聞いたりしているのか」 「相手はどうとらえているのか」のように「相手」が主体になったのだと思います。そうしたら、今までの自分には見えていなかったことが見えてきたのでしょう。

「伝わらない」の原因は「伝え方」だけではないということを、私自身改めて教えていただきました。


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