「なんか、わかりあえないな」
「自分の意図が伝わらないな」
そう感じるとき、ありませんか。
そんなとき、「伝え方」を工夫してみたり、「互いのタイプの違い」に注目して、わかりあうための方法を探ろうとしていませんか。
でも、その前にやってみた方がよいことがあります。
今日はそんなお話です。
1.大事なのは、どれだけ「事実」を見ているか
わかりあうための方法を探る前にやってみた方がいいこと、それは「事実は何か」を考えることです。
こちらの写真をご覧ください。
この写真から読み取れる「事実」を探してみてください。
あなたはいくつの事実を挙げましたか。
少なくとも7~8個は書ける事実があるのですが、先日セミナーで同じワークをしたときには、皆さん結構考え込んでいて、書き出すペンが止まっていました。
書けても2つか3つ。
「事実?」とお顔に「?」が浮かんでいる方も。
これ、私も最初やったときには「意外と難しい」と感じました。
なぜ難しいと感じるのか。
理由は2つあります。
ひとつは、「それって本当ですか?」と問われたときに、「本当です」と言い切れないことを「事実」だと思い込んでいること。
たとえば、「白い」「短い」「男性」っていうのは、「事実」でしょうか?と問われてしまうと、「そうじゃないかも」ってなります。
ふたつめは、見落としている事実がたくさんあること。
見えているのに見えていない。
見過ごしている事実がたくさんあるのです。
たとえば、「鼻はひとつ」というように。
私たちは「事実」をみているようで、意外とみていないものなのです。
2.解釈で話を進めると行き違いが起こる
先日、三重県が主催するワークショップに参加したときのことをご紹介します。
ワークショップは、津の会場と尾鷲の会場をオンラインで結び、2拠点で実施していました。私は尾鷲の会場でファシリテーターを務めていました。
「三重が働きやすく、住みやすい街になるには」というテーマで意見を出し合い、津の会場から「交通が不便」という意見が出たときのことです。
尾鷲の会場では、「えー、あっちでも交通が不便って思ってるんだ」と驚きの声が。
尾鷲や熊野といった三重の南の方は、JRしかなく、電車の本数も1~2時間に1本と少ない地域です。快速とか急行もありません。あるのは1日4本の特急と各駅停車の列車だけ。
そこからみたら、津、四日市あたりの地域は、JRもあるし近鉄もあるし、第3セクターの鉄道もある。めっちゃ便利じゃん! となるわけです。
「不便」っていうのは、人それぞれの解釈だから「事実」ではないのです。
でも、「事実」だと思ってしまうから、行き違いがおきたり、誤解が生まれたりします。
そういうのって、日常の場面でも仕事の場面でも色々ころがっていそうですよね。
自分が「事実」だと思っていることも、「それって本当?」と問いかけてみると、意外と見えていないことが見えてきます。
それでは、また。