「赤いメガネをかけた子どもを連れている女性」を表しているのは左、右、どちら?
あなたはどちらだと思いましたか?
これは、私が大学の卒業研究でやった実験です。正確には、文章を見せたあと、どちらか一方の絵を見せて、○か×のボタンを押してもらうという実験です。
その結果は……
左の絵(女性が赤いメガネをかけている)が出てきたときには、右の絵(子供が赤いメガネをかけている)が出てきたときより、明らかにボタンを押すまでの反応時間が長くなりました。
実はこれ、赤いメガネをかけているのは子ども、女性のどちらの意味にもとれる曖昧文です。でも、実験では「赤いメガネをかけた」はすぐ後ろの「子ども」にかかるように解釈する人が圧倒的に多かったのです。いわゆる「飾り言葉」(修飾語)は、直後の名詞を修飾するように解釈されるということです。
つまり、文章を書くときも、話をするときも、この点に注意しないと、正しく伝わらないということになります。
もしも、赤いメガネをかけているのが女性だったとしたら、
「子どもを連れている赤いメガネをかけた女性」のようにすれば、赤いメガネをかけているのは女性だと伝わります。
ちょっとしたことですが、正しく伝わるためには語順に注意して、行き違いや勘違いを防ぐようにしましょう。
それでは、また。