
「大職場がトゲトゲした感じになっているとき
「言い方が悪い」
「伝え方が悪い」
「言葉のチョイスが悪い」
「醸し出す雰囲気が悪い」
みたいに考えていませんか。
「あの人は職人気質で口が悪いから……」
と諦めてしまう職場もあります。
とくに、忙しい時間が集中する仕事とか締め切り間際のときなど、程度の差はあれ、みんな殺気立っているので、そういうときについ乱暴な口調で注意してしまったり、ムスっとした表情をしてしまうなんていうこともあります。
そういう事情を抱えた職場から
「もうちょっと言い方に気をつけてもらいたいんです。だから、職場の雰囲気を壊さないためにどういう伝え方をしたらいいか、一度うちの職場で話してくれませんか」とか「心理的安全性を高めるための話の聴き方について教えてほしい」などの依頼を受けることもあります。
こういうとき
「その言葉はこう言い換えたら感じが良くなります」とか、「部下の話を聴くときにはここがポイントです」みたいな「手っ取り早いテクニック」を求められているのかもしれませんが、私はそういう「めっき」みたいな方法は好きではないんです。
どうせ剝がれてしまうから。
心の伴わない言動はなんの影響力も持たないですしね。
だから、もっと根本的なところに深く入り込みたいと私は考えています。
そのときに大事なのは、「それぞれが大切にしている想い」に気づくこと。
ワークをやりながら、各自が仕事において大切にしていることや自分自身の役割を言葉にしていきます。
たとえば
「私は調理師だ」
と思っている調理師さんに対して
「調理という仕事を通して、あなたが本当にしていることは何ですか」
というような問いかけをしていきます。
そうすると、その人なりに大切にしている想いが出てくるんですよね。
その大切にしている想いと、職場全体が大切にしようとしていることをリンクさせていきます。
「二つの円が交わるところを探す」というイメージに近いかもしれません。
たとえば、社員食堂で働く人たちならば「社員の健康や笑顔を大切にする」というようなことを、職場としても個人としても大事にしているでしょう。
では、その大切にしていることを実現するためにはどんな行動をしたらよいかを考えていくと、「ムスっとしている」とか「イライラして声を荒げてしまう」みたいな言動はふさわしくないなと気づいたり改善したりするように
なるのです。
ここがちゃんと腹落ちしていたら、「感じのいい言葉」に言い換えようとしなくても、自然と感じの良い言葉が出てくるようになります。
やり方ばかり身につけても、あり方が変わらなければ結局何も変わらないので、少し時間はかかっても「あり方」に向き合う時間を私はつくっていきたいなと考えています。
それでは、また。
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