ほめるときには目には見えていない「内面」を見る

ほめるのと叱るのと、どっちが難しく感じますか。

ほめるのは一見ハードルが低いですが、「ただの社交辞令」と受け取られてしまうこともありますよね。
それに、いつもほめてばかりでは、相手のモチベーションアップにつながらないのでは? という疑問もあります。

いつもはものすごく厳しい人が、たまにほめてくれたりすると、すごく嬉しかったりしませんか。

そう考えると、ほめるのもなかなか簡単じゃないなと感じます。

研修や講演会に出かけると、時々
「何かいいほめ方ってありませんか」
と相談されることがあります。

というわけで、今日は「いいほめ方とは?」についての話です。


賢い人のとにかく伝わる説明100式』の本の中にも、”ほめるときは「能力」や「信念・価値観」に焦点をあてる” という項目があります。

「素敵な洋服ですね」と言われるより、「そんな素敵な洋服を選ぶなんてセンスがいいですね」とか、着こなしをほめられた方が、ちょっと嬉しいですよね。

時には、その日会う人の好みやお仕事などの背景に合わせて服を選んでいるという方もいらっしゃいます。

たとえば、私の出版記念講演会でも、本の表紙のピンクにあわせてピンクの小物を身に着けてきてくださったというような例です。

その人の心遣いとか、ホスピタリティを感じます。

そういうときには、「素敵ですね」と「小物」に目を向けるよりは、その方のお気持ちに目を向けたいですよね。

つまり、「ほめる」というのはその人自身をしっかり見ようとすること。

「いいほめ方」とは、こう言えば喜んでもらえるというようなテクニックではないのです。

“ほめるときは「能力」や「信念・価値観」に焦点をあてる” というのを「公式」のように覚えるのではなく、その人自身の内面に関心を持つようにすることが大事。

そうすれば自然と、「能力」 「信念・価値観」に焦点が当たります。

「よくできたね」
「よくやったね」
と結果だけに注目しそうになったとき、ちょっとだけ
「この人は何を大切にしていたから、これだけの結果を残したのだろう?」
「この人はどんな工夫や努力をしたのだろう?」
と想像してみませんか。

口先だけのほめ言葉にならず、相手に伝わるほめ言葉になりますよ。

それでは、また。